秘書のアシナです
破鎧(はがい)のガラム・ガランだ
突然ですけど、ガラムさんはどんな死に方がいいですか?
…………
……あン?
あれ? ちょっと言葉不足だったかも……あわわ、そんな目で睨まないでください!
昨日、魔法の石版で読んだんです。屈強な戦士の多くが、散り際の美学を持ち合わせてる、って
恐ろしく退廃的なもんを読むんだな……
だがまあ……そうだな。勇者如きに後れを取るとは思わんが……
盾となり、仲間のために散る……そんな最後が戦士には相応しいのかもしれん
架空の冒険記でもよく見ますもんね。仲間を守るために自爆魔法を使うシーン
ああ。[ばくはつ岩]の連中がよくやるアレだ。もっとも、あいつらは発破作業でばかすか自爆させられてるがな
お……お仕事で自爆って……
火薬を使うより効率的なうえ、安上がりらしい
あとは……やはり逝くときはなにかを残して逝きたいもんだ
形見、とか?
物とは限らんさ。敵に関する情報、敵の力を削ぐ一撃、残った者への手向けとなるなにかしらだよ
お前はどうなんだ? 生き死になんぞそうそう意識せんだろうが
う〜ん……熱いのは絶対にいやです。火あぶりとか。あと、財布にされたりするのも。皮を剥がれちゃうんですよ?
生々しいな、おい
しかし、さっきも言ったがこの話題は退廃的すぎるな。考えるならもう少し明るいことにしたほうがいいぞ
長生きするに越したことはない。一〇〇年生きる毎に魔王城から〝良い物〟が貰えるらしいしな
あっ、聞いたことあります。長生きは三枚の得、ってやつですよね
ああ。なにが三枚なのかはよくわからんが……なにせ一〇〇年だ。祝いの貨幣とかそんなところだろう
いくらぐらいもらえるのかなー
案外、三枚ぽっちの銅貨だったりしてな
銅貨だなんて。ふふっ、子供のお小遣いじゃないですから!
そうは言うが、相手はあの魔王城だぞ?
…………
お——
お団子が買えてラッキー? ぐらいに思っといたほうがいいかもしんないですね……